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マザー・テラサワ月2回の定例読書会。今回は永井路子著『この世をば 藤原道長と平安王朝の時代』をご紹介します。摂関政治で栄華を誇ったと言われる藤原道長。その像は絶対権力者として語られて来ましたが、著者は妻の倫子はじめ女系の人間関係にも焦点を当て、凡庸ながらもバランスを取りながら政治運営を行った道長の像を提示しています。ジェンダー平等などの意識も現代に比して希薄な1982年にこの切り口で作品を書いたのは、著者の膨大かつ緻密な古典の読み込みがあってのことでしょう。
同時に、平安王朝の天皇を巡る政治のシステムは貴族階級中心で、女性の人権も顧みない政略結婚•天皇家への食い込みを試みる熾烈な権謀術数など、国民主権が保障されている現代日本ではおよそ有り得ないものでした。昨今の皇室典範改正騒動は、皮肉にも平安王朝の政治に近い様を垣間見ます。そのような政治運営が無理筋なのを再認識する意味でも、参考になる作品だと考えております。
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