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『まちは言葉でできている』(柏書房)刊行記念イベント「まちの記憶をひらく:共に語り、記録するという抵抗」

2025年10月に刊行された、西本千尋さんによる随筆集、『まちは言葉でできている』(柏書房)の刊行記念トークを開催します。

都市計画の中で妊婦や子どもや障害者や女性や高齢者の存在が想定されていないこと、安全で快適な空間のためにホームレスの人々が排除されてきたこと、「公園まちづくり制度」の名の下に緑豊かな公園がなぜか消えていくこと――。「みんなのため」に進められる再開発の矛盾に目を凝らし、その暴力性に抗っていくために、専門家や行政の言葉ではなく、生活にねざした言葉でまちを語り直したい。そんな思いから「まちづくり」現場での約20年を記録した、デビュー作にして集大成のような一冊となっています。

ゲストにお招きするのは、本書の第13回「足裏の記憶」にも登場する、社会学者の松井理恵さんです。松井さんは韓国の地方都市・大邱(テグ)をフィールドに、植民地時代から1960年代にかけて建てられた近代建築物と地域コミュニティの関わりについて研究をされています(その成果は、共和国から刊行の『大邱の敵産家屋』で読むことができます)。

『まちは言葉でできている』には、そんな松井さんと共に大邱を訪ねた西本さんが聞き取った、「敵産家屋」と呼ばれる建築物を保存しようとする市民活動家たちの声が記録されています。詳細はぜひ本で読んでほしいのですが、この回にこんな記述があります。

〈たとえ再開発がなされたとしても、それは即座に敗北を意味しない。記録して、発信して、関係者が対話してというふうに、関わり続けていくこと(中略)。偶発的でコントロールの効かないこの信頼に足らない世界で、自分たちのまちをいつまでも一緒に語っていくこと(中略)。「(市民活動家の活動は)だれか域外に向けた人の活動や記録ではないんですよ。あくまでもあのまちに住んでいる人々と共有したいんです」。この日、松井さんが話されたことが耳に残っている。〉(199-200頁)

今、この国のあちこちで再開発が進んでいます。都市や建築物は歳をとっていくものですから、当然いつかは修繕したり、壊したり、新しくしなければいけません。と、頭では理解しつつも、今、目の前で起きている再開発の進み方に、違和感を覚えたことのある人は少なくないのではないでしょうか。

わたしたちは、変わりゆくまちとどう向き合っていけばいいか。お互いにどのような言葉を交わしていけばいいのか。日本での事例はもちろんのこと、韓国で得られた知見も共有しながら、共に考える時間にしたいと思います。専門的な知識は一切不要です。ぜひ、お気軽にお越しください。

柏書房/天野潤平




登壇者

西本千尋(にしもと・ちひろ)
松井理恵(まつい・りえ)




開催日:2025年11月29日(土)15時〜17時

・アーカイブ(録画)もご利用可能です
・zoomの字幕機能を使います

お問い合わせは本屋lighthouseまでお願いします。
→books.lighthouse@gmail.com

Purchase Ticket

『まちは言葉でできている』(柏書房)刊行記念イベント「まちの記憶をひらく:共に語り、記録するという抵抗」 1,500 JPY(tax included)
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